2026/03/06 10:14

近年、日本でもナチュラルワインへの関心が高まりつつあります。
レストランやワインバーで見かける機会が増え、「日本のナチュラルワインを飲んでみたい」と感じる方もいるのではないでしょうか。

もともとナチュラルワインは、ヨーロッパを中心に広まったワインのスタイルです。
しかし近年は、日本でも自然な栽培や醸造を意識したワイナリーが少しずつ増えています。
北海道や長野、山梨などを中心に、小規模生産の個性的なワインが造られるようになりました。

日本のワインは、気候やぶどう品種の違いから海外ワインとは異なる個性を持っています。
そこにナチュラルワインの考え方が加わることで、日本ならではの味わいが生まれている点も特徴です。

この記事では、日本のナチュラルワインの基本的な考え方を整理しながら、注目される生産者をご紹介します。

日本のナチュラルワインとは

まずは、日本のナチュラルワインについて基本的なポイントを整理しておきましょう。
ナチュラルワインは明確な国際定義があるわけではなく、生産者の考え方やスタイルによって捉え方が異なる場合があります。
そのため、一般的な特徴を理解しておくことが大切です。

ナチュラルワインの基本的な考え方
ナチュラルワインは、できるだけ自然な方法で造ることを重視したワインを指す言葉として使われることがあります。

例えば次のような考え方がよく挙げられます。

- ぶどう栽培で農薬の使用を抑える
- 自然酵母による発酵を重視する
- 添加物の使用をできるだけ控える

ただし、ナチュラルワインの定義は国や生産者によって考え方が異なる場合があります。
あくまで「自然なワイン造りを志向するスタイル」として理解されることが多い言葉です。

ナチュラルワインと日本ワインとの違い
「日本ワイン」と「ナチュラルワイン」は、意味が異なる言葉です。

日本ワインは、国税庁の表示基準により「日本国内で収穫されたぶどうを100%使用して日本で造られたワイン」を指します。
一方、ナチュラルワインは主にワインの造り方や思想を表す言葉として使われています。

つまり、日本ワインの中にもナチュラルワインの考え方で造られるワインが存在します。
日本のワイナリーの中にも、自然な栽培や醸造を意識した取り組みを行う生産者が近年増えてきました。

日本の自然環境とワイン造り
日本でナチュラルワインを造る際には、自然環境も大きく影響します。

日本はヨーロッパのワイン産地と比べて降水量が多く、湿度も高い気候です。
このため、ぶどう栽培には工夫が必要とされています。
病害対策や畑の管理などに手間がかかる場合もあります。

その一方で、日本は南北に長い国です。
北海道から九州まで、地域によって気候条件が大きく異なります。
こうした地域差はワインの味わいにも影響し、日本ワインの個性につながっています。

自然環境と向き合いながらワイン造りを続ける生産者の存在が、日本のナチュラルワインの魅力のひとつといえるでしょう。


日本のナチュラルワインが注目されている理由

日本でもナチュラルワインに関心を持つ人が増えている背景には、日本ワイン市場の広がりや小規模ワイナリーの増加など、いくつかの要因があります。
ここでは、日本のナチュラルワインが注目されている理由を整理してみましょう。

日本ワインへの関心が高まっている
近年、日本ワインは国内外で評価される機会が増えている傾向にあります。

2018年には「日本ワイン」の表示基準が整備され、日本国内で収穫されたぶどうを100%使用したワインだけが日本ワインと表示できるようになりました。
こうした制度の整備もあり、日本ワインへの関心は徐々に高まっています。

また、日本の気候や品種を活かしたワイン造りに取り組む生産者も増えています。
その中で、自然な栽培や醸造を意識したワイン造りが紹介される機会も増え、ナチュラルワインへの関心につながっていると考えられます。

小規模ワイナリーの増加
日本では近年、小規模ワイナリーの設立が増えています。
国税庁のワイナリー数の統計を見ると、日本国内のワイナリー数は徐々に増加している傾向にあります。
地方でぶどう栽培とワイン造りを行う新しい生産者も増えています。

こうした小規模ワイナリーの中には、農薬の使用を抑えた栽培や自然酵母による発酵など、自然なワイン造りを志向するケースもあります。
そのため、日本のナチュラルワインの多様性が広がってきているといえるでしょう。

レストランやワインバーでの需要
ナチュラルワインは、レストランやワインバーでも取り扱いが広がっています。
特に都市部では、ナチュラルワインを中心に提供する飲食店も見られるようになりました。
料理との相性や個性的な味わいに関心を持つ人が増え、飲食店でも紹介される機会が増えています。

こうした飲食店での体験をきっかけに、日本のナチュラルワインに興味を持つ人も少なくありません。
レストランやワインバーでの広がりも、日本のナチュラルワインが注目される背景のひとつといえるでしょう。

日本のナチュラルワインの特徴|ナチュラルワイン×日本の魅力

日本のナチュラルワインは、海外の自然派ワインとは異なる特徴を持つ場合があります。
気候条件や栽培環境、ワイナリーの規模などが影響し、日本ならではの個性が生まれています。
ここでは、日本のナチュラルワインを理解するうえで知っておきたい特徴をご紹介します。

小規模ワイナリーが多い
日本のワイン産業は、小規模なワイナリーが多いことが特徴です。
欧州の大規模ワイナリーと比べると、生産量はそれほど多くありません。
家族経営や少人数でワイン造りを行う生産者も多く、畑の管理から醸造まで一貫して取り組んでいるケースも見られます。
こうした小規模生産は、ナチュラルワインの思想とも相性がよいといわれています。

生産量が限られるため、市場に出回る本数が多くないワインもあります。
その分、造り手の個性が反映されたワインが生まれやすい点は、日本のナチュラルワインの魅力といえるでしょう。

地域の個性がワインに表れやすい
日本は南北に長い国で、地域によって気候が大きく異なります。
この地域差は、ワインの味わいにも影響します。

例えば、次のようなワイン産地があります。

- 北海道
- 山梨
- 長野
- 東北

北海道は冷涼な気候で、酸のあるすっきりとしたワインが造られる傾向があります。
一方、山梨は日本のワイン産地として長い歴史を持ち、さまざまなぶどう品種が栽培されています。

ナチュラルワインでも、こうした地域の特徴が味わいに表れることがあります。
産地の違いを意識して選ぶと、日本ワインの個性をより楽しめるでしょう。

日本固有のぶどう品種
日本のワインでは、海外品種だけでなく日本固有のぶどう品種も使用されています。
代表的な品種としては次のようなものがあります。

- 甲州
- マスカット・ベーリーA

甲州は山梨県を中心に栽培されてきた白ぶどうで、日本ワインを代表する品種のひとつです。
マスカット・ベーリーAは日本で交配された赤ぶどう品種で、果実味のあるワインに仕上がることがあります。

ナチュラルワインの生産者の中には、こうした日本の品種を活かしたワイン造りに取り組むケースもあります。
日本の土地に適した品種を使用することで、地域性を表現したワインが生まれることもあります。

日本のナチュラルワインおすすめ生産者10選

日本のナチュラルワインは、近年注目される生産者が増えています。
自然な栽培や醸造を意識したワイナリーも多く、日本各地で個性的なワイン造りが行われています。
以下では、日本のナチュラルワインを知るうえで名前が挙がることの多いワイナリーの中から、自然栽培への取り組みやナチュラルワイン文脈で紹介されることの多い生産者を中心にご紹介します。

ココ・ファーム・ワイナリー(栃木)
栃木県足利市にあるワイナリーで、日本ワインの歴史の中でもよく知られる生産者です。
自然酵母による発酵を取り入れたワインなども造られており、日本ワインの文化を語るうえで紹介されることがあります。

10Rワイナリー(北海道)
北海道岩見沢市にあるワイナリー。
北海道のワイン造りの発展にも関わる存在として知られています。
カスタムクラッシュワイナリー(受託醸造所)で、北海道産のぶどうだけを原料にワイン造りを行っています。

グレープリパブリック(山形)
山形県南陽市に拠点を置くワイナリーです。
2017年に設立され、自社畑のぶどう栽培を行いながらワイン造りを進めています。
山形のテロワールを表現するワイン造りを目指している生産者のひとつです。

ヒトミワイナリー(滋賀)
滋賀県東近江市にあるワイナリーです。
自然発酵を取り入れたワイン造りや、にごりワインなどの個性的なスタイルで知られています。
日本の自然派ワインを紹介する際に名前が挙がることも多い生産者のひとつです。

農楽蔵(北海道)
北海道北斗市にある小規模ワイナリーです。
少量生産のワインを中心に、地域のぶどうを活かしたワイン造りを行っています。
北海道は近年ワイン産地として注目されており、ナチュラルワインの文脈でも話題に挙がることがあります。

ドメーヌ・イチ(北海道)
北海道余市にあるワイナリーです。
自社畑でのぶどう栽培を中心に、小規模生産でワイン造りを行っています。
北海道は冷涼な気候のため、酸のあるワインが生まれやすい地域とされています。
地域の環境を活かしたワイン造りに取り組んでいる生産者です。

ファットリア・アル・フィオーレ(宮城)
宮城県川崎町にあるワイナリーです。
2015年に設立され、自社栽培のぶどうと地域の農家が栽培したぶどうを活用したワイン造りを行っています。
自然発酵を取り入れた醸造を行うなど、自然なワイン造りを志向しています。
日本のナチュラルワインの文脈でも紹介されることがある生産者です。

テールドシエル(長野)
長野県小諸市にあるワイナリーです。
自社畑や地域のぶどうを使用したワイン造りを行っています。
長野の新しいワイン生産者として知られる存在です。

ドメーヌ・ヒデ(山梨)
山梨県南アルプス市にあるワイナリーです。
自社畑でのぶどう栽培を行いながら、自然なワイン造りを志向した醸造に取り組んでいます。
日本固有品種の甲州などを使ったワインも造られており、日本ワインの個性を感じられる生産者として紹介されることがあります。

ドメーヌ・ムラヤマ(長野)
長野県東御市に拠点を置く小規模ワイナリーです。
ぶどうの自然な栽培から醸造まで行い、地域の環境を反映したワイン造りを続けています。
長野県は日本でも有数のワイン産地として知られており、ナチュラルワインの文脈でも注目される生産者が増えています。

日本のナチュラルワインの選び方

日本のナチュラルワインは、生産者や地域によってスタイルが大きく異なります。
初めて選ぶ場合は、いくつかのポイントを意識すると好みに合うワインを見つけやすくなります。
ここでは、日本のナチュラルワインを選ぶ際に参考になる視点をご紹介します。

産地で選ぶ
日本は南北に長い地形のため、地域ごとに気候条件が大きく異なります。
そのため、ワインの味わいにも地域の特徴が表れることがあります。

例えば、北海道は冷涼な気候で、酸味のあるすっきりしたスタイルのワインが造られることがあります。
一方、山梨や長野は日本ワインの主要産地として知られ、さまざまなぶどう品種が栽培されています。

同じナチュラルワインでも、産地によって印象が変わる場合があります。
地域ごとの違いを意識して選ぶのも、日本のワインを楽しむひとつの方法です。

ぶどう品種で選ぶ
使用されるぶどう品種によって、ワインの香りや味わいは大きく変わります。
日本のワインでよく使われる品種には、次のようなものがあります。

- 甲州
- マスカット・ベーリーA

例えば、甲州は比較的軽やかな味わいの白ワインになることが多く、和食との相性がよいといわれることがあります。
マスカット・ベーリーAは、果実味のある赤ワインになることがあります。

このように、ぶどう品種を意識して選ぶと、好みのワインを見つけやすくなるでしょう。

醸造スタイルで選ぶ
ナチュラルワインには、さまざまな醸造スタイルがあります。
同じぶどう品種でも、造り方によって味わいが変わることがあります。

例えば、次のようなスタイルがあります。

- オレンジワイン
- ペットナット(微発泡ワイン)
- 無ろ過ワイン

オレンジワインは、白ぶどうを赤ワインのように果皮とともに発酵させるスタイルです。
ペットナットは、瓶内で自然に発泡するワインとして知られています。
こうしたスタイルの違いを知っておくと、日本のナチュラルワインの楽しみ方が広がるでしょう。

日本のナチュラルワインはどこで買える?

日本のナチュラルワインは生産量が多くないものもあるため、一般的な量販店では見つけにくい場合があります。
そのため、次のような場所で探す方も多く見られます。

- ナチュラルワイン専門店
- ワインショップ
- オンラインショップ
- ワイナリー直売所

特に専門店では、生産者の背景や栽培方法などの情報を聞きながらワインを選ぶことができる場合もあります。
オンラインショップでも、生産者の解説や味わいの特徴が掲載されていることが多く、初心者でも選びやすいでしょう。

日本のナチュラルワインを楽しむには

日本のナチュラルワインは、小規模ワイナリーによる生産が多く、流通量が限られる場合もあります。
そのため、一般の店舗では見つけにくい場合もあります。

近年は、日本ワインやナチュラルワインを取り扱うオンラインショップも増えてきました。
ナチュラルワインを専門的に扱うショップでは、生産者の背景やワインの特徴を知りながら選ぶことができます。
Vin X Cellar(ヴァンクロス・セラー)では、世界各地のナチュラルワインを中心にセレクトされたワインをご紹介しています。
ワイン選びの参考として活用するのもひとつの方法です。

日本のナチュラルワインに関するよくある質問(FAQ)

日本のナチュラルワインについては、初めて知る方からさまざまな疑問が寄せられることがあります。
ここでは、よくある質問をまとめてご紹介します。

Q:日本のナチュラルワインは海外のものと違いますか?
日本のナチュラルワインは、海外のナチュラルワインと同様に自然な栽培や醸造を意識したワイン造りが行われることがあります。
ただし、日本は降水量が多く湿度が高い気候のため、ぶどう栽培の条件がヨーロッパとは異なります。
そのため、日本の自然環境に合わせた栽培方法や品種選びが行われることがあります。

また、甲州やマスカット・ベーリーAなど、日本固有のぶどう品種を使用する点も特徴のひとつです。
こうした要素が、日本のナチュラルワインならではの個性につながっています。

Q:日本ワインはすべてナチュラルワインですか?
日本ワインとナチュラルワインは、意味が異なる言葉です。
日本ワインは、日本国内で収穫されたぶどうを使用して日本で造られたワインを指します。
一方、ナチュラルワインは主に栽培や醸造の考え方を表す言葉として使われています。

そのため、日本ワインの中にもナチュラルワインの考え方で造られるものがありますが、すべてがナチュラルワインというわけではありません。

Q:日本のナチュラルワインはどこで買えますか?
日本のナチュラルワインは、ワインショップやオンラインショップなどで取り扱われることがあります。
ただし、小規模生産のワインも多く、一般の店舗では見つけにくい場合もあります。
そのため、ワイン専門店やオンラインショップで探す人も増えています。

生産者の背景や産地の情報を確認しながら選ぶことで、日本ワインの多様性をより楽しめるでしょう。

まとめ:日本のナチュラルワインは生産者の個性を楽しめる

日本でもナチュラルワインの造りに取り組む生産者が少しずつ増えています。
小規模ワイナリーが多く、それぞれの地域やぶどう品種の個性を反映したワインが生まれている点が特徴です。

日本のナチュラルワインは、地域やぶどう品種、生産者の考え方によって味わいが大きく変わります。
こうした違いを意識しながら選ぶことで、日本のナチュラルワインの魅力をより楽しめるでしょう。

今回ご紹介した生産者は、日本のナチュラルワインを知るきっかけの一例です。
気になるワイナリーやワインを見つけたら、ぜひ実際に味わいながら日本ワインの多様性を体験してみてください。

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