2026/02/13 10:43

ナチュラルワインに興味を持つ方が増えるにつれ、小規模で丁寧な造りを行う生産者にも自然と注目が集まりやすくなっています。
その中で、オーストラリア出身の醸造家Jane Eyre(ジェーン・エア)は、独自のスタイルでブルゴーニュのワインを手掛ける存在として知られています。


生産者の背景を知ることで、ワインを選ぶ楽しさがぐっと広がることもあるでしょう。
この記事では、彼女の歩みと造り方の特徴を分かりやすくご紹介します。

オーストラリア生まれの醸造家がブルゴーニュで歩んだキャリア

Jane Eyre(ジェーン・エア)は、オーストラリア・メルボルン近郊で育ちました。

ブルゴーニュでの修行が始まったのは1998年
その後、2004年に移住し、本格的にブルゴーニュでのキャリアを積み始めます。

移住後はComtes Lafon(コント・ラフォン)de Montille(ド・モンティーユ)Domaine Newman(ドメーヌ・ニューマン)といった名門の現場で研鑽を重ねました。
どのドメーヌも伝統と技術を大切にしており、丁寧な造りを大切にする現場で経験を積み重ねていきました。
こうした経験の積み重ねが、彼女が自らのワイン造りを始める土台になったといえるでしょう。

その後2011年、ついに自らの名を冠したワインをリリースします。
スタートはサヴィニー・レ・ボーヌ地区の赤ワイン、5樽という小さな挑戦からでした。
少量生産だからこそ、細部まで注意を払った造りができたと考えられます。


Wine Studioとは ― 新しい形のカスタム・クラッシュ・ワイナリー

ジェーン・エアが自らのワイン造りを始める後押しのひとつとなったのが、Wine Studio(ワイン・スタジオ)というカスタム・クラッシュ・ワイナリーです。

ここは、醸造設備を持たない生産者がワインを造るために利用できるワイナリーで、発酵や熟成に必要な設備が整っています。

ジェーン・エアは第1期生として参加し、2011年に自身のワイン造りを本格的に始めました。


Jane Eyreのワイン造りの特徴

ジェーン・エアのワイン造りには、一貫して“素材の良さをいかす”という考えが見られます。

■ 果実の状態を重視して買い付ける

彼女は自社畑を持たず、畑ごとにぶどうを買い付けています。
買い付けの際は「傷んでいないか」「熟しすぎていないか」など、果実の状態を細かくチェックします。

収穫は手作業で行い、収穫後も不適切な果実を取り除いていきます。
こうした丁寧な作業が、後の味わいに影響します。


■ ぶどうの形を残したまま発酵させる場合もある

一部、ぶどうを粒ごとにバラバラにせず“房のまま”発酵させることがあります。
この方法では、果実の香りがやわらかく感じられやすい傾向があり、ぶどうの状態に合わせて選択されます。

発酵中に果皮が浮いてくるため、やさしく沈める作業を行います。
ジェーン・エアはこの作業を昔ながらの「足で押し込む」方法で行い、果実に強い圧力がかからないように配慮しています。


■ 新しい樽は控えめに使用し、熟成はおよそ1年

発酵を終えたワインは樽へ移されます。
新しい樽は香りが強く出るため、使用は控えめにし全樽の約40%ほどです。

こうすることで、樽の香りが強すぎず、ぶどう本来の風味が出やすくなります。
熟成期間はおよそ1年で、ゆっくりと味わいがまとまっていきます。


■ 自然な仕上がりを目指して瓶詰め

瓶詰めの前にはワインをひとつにまとめて落ち着かせ、必要以上の工程を加えずに瓶詰めします。
“無清澄・無濾過”と呼ばれる方法で、仕上げの作業を控えめにしています。


ラインアップの広がりと評価の高まり

ジェーン・エアは、最初の5樽からスタートした後、少しずつ手がける地域と種類を増やしていきました。
初期はサヴィニー・レ・ボーヌの赤ワインのみでしたが、翌年以降、ジュヴレ・シャンベルタンアロース・コルトンヴォルネイといったブルゴーニュの名だたる産地のぶどうも扱うようになります。

さらに2014年には、Côte de Nuits-Villages(コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ)も加わり、スタイルの幅が広がりました。
これらの地域は、それぞれ土地や気候の違いから味わいに個性が生まれるため、ラインアップが増えることでジェーン・エアの世界観がより分かりやすくなります。

受賞歴もあり、ブルゴーニュで注目される存在へ

2021年には、フランスのワイン専門誌『レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス(ルヴュ・ド・ヴァン・ド・フランス)』にて、最優秀ネゴシアン賞を獲得しました。

ボーヌとムルソーの間に位置する「シッセ」という地域に自らのワイナリーを設立し、さらに経験を深めながらワイン造りを続けています。


Jane Eyreのワインの印象と魅力

ジェーン・エアが手がけるワインは、ブルゴーニュらしい繊細さと、果実のピュアな風味を大切にしたスタイルが特徴とされています。

ここでは、一般的に語られる印象をまとめています。


■ 果実味のやわらかな広がり
収穫したぶどうを丁寧に扱い、強い圧力をかけない造り方をしているため、果実の風味が素直に出やすいとされます。
口に含んだ瞬間に広がるベリー系の香りや、軽やかな酸のバランスが心地よく、料理との相性も取りやすい傾向があります。

■ 渋みが出すぎず、優しい口当たり
房のまま発酵させる方法を部分的に取り入れ、抽出を控えめにすることで、渋みが出すぎず、やわらかな味わいになると語られることも多いです。
ブルゴーニュの赤ワインを初めて楽しみたい方にも取り入れやすい印象です。

■ 樽の香りが控えめで、果実との調和が取りやすい
新しい樽をあまり使いすぎないため、樽香だけが前に出るのではなく、果実の風味との調和が感じられやすい点も魅力として語られます。
「樽の香りが強いワインより、果実味を感じたい」という方にも向いています。

どのような方におすすめ? ― 初心者から上級者まで

ジェーン・エアのワインは、初めてワインを選ぶ方にも、飲み慣れた方にも受け入れられやすい特徴があります。
ここでは、どのような方におすすめなのかまとめています。

■ ナチュラルワインに興味が出てきた方
添加物を必要以上に使わず、果実の状態を大切にした造りがされているため、ナチュラルワインに興味を持ち始めた方にも取り入れやすい選択肢です。

■ ブルゴーニュの赤ワインを探したい方
ピノ・ノワールらしい透明感のある味わいが感じられることが多く、ブルゴーニュの赤ワインの良さを知るきっかけとして選ばれることがあります。

■ 生産者の背景やストーリーに関心がある方
ジェーン・エアは他国出身ながら、ブルゴーニュで研鑽を積み、少量生産で丁寧なワイン造りを続けています。
その背景を知ることで、ボトル1本の価値や楽しみ方がより深まります。

Vin X Cellar(ヴァンクロス・セラー)で選ぶJane Eyre ― 醸造家の個性を知った上で楽しむ

Vin X Cellarでは、ジェーン・エアが手がけるブルゴーニュワインを取り扱っています。
生産者の理念や造り方を知ってから味わうと、同じボトルでも感じ方が変わることがあります。

「どれを選んでいいか分からない」という場合でも、

・ブルゴーニュの地域の違い

・年ごとの味わいの変化

・料理との合わせ方

といった視点で見ることで、好みに近い1本を選ぶ参考になるでしょう。

ワインの背景を知ることは、購入の“理由”を見つけるきっかけになります。


まとめ:Jane Eyreの世界を知ることでワインの選び方がより楽しくなる

ナチュラルワインは、造り手の考え方や畑での取り組みがそのまま味わいに表れやすいのが魅力です。
ジェーン・エアのように、ぶどう本来の風味を大切にしながら丁寧にワインづくりを行う生産者を知ることで、1本のワインに込められた背景が見えてきます。
初めての方でも、すでにワインに親しんでいる方でも、造り手のストーリーを知ることで楽しみ方が広がります。
気になる1本から気軽に取り入れて、自分の好みに合うワインや生産者との出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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